第二種電気工事士

第二種電気工事士の技能試験に落ちたら次はどうなる?学科免除はいつまで使えるか

第二種電気工事士の技能試験に落ちても、次は学科からやり直しにはなりません。学科試験に合格すると、次回と次々回の試験で学科が免除されます。ただし免除は自動ではなく、申込みのときに自分で申請します。しかも上期の技能試験に落ちた場合、結果発表から下期の申込開始までは数日しかありません。政令と令和8年度の受験案内で、期限まで確認します。

結論:学科の合格は次々回まで効く

公式の公表内容

電気工事士法施行令第9条第3項は「学科試験に合格した者に対しては、その申請により、次回及び次々回のその合格した学科試験に係る試験と同一の種類の試験の学科試験を免除する」と定めています。

確認した事実

条文に書かれているのは2つです。対象は次回と次々回の2回分であること、そして「その申請により」=申請が前提であることです。

状況次に受けるとき
学科に合格し、技能に不合格技能試験から受けられる(免除を申請した場合)
学科に不合格学科から。技能試験は受けられない
学科を欠席同上。技能試験は受けられない

※ 施行令第9条第3項・第10条、および令和8年度第二種電気工事士上期試験 受験案内より(確認日 2026-10-07)。

公式の公表内容

施行令第10条は、技能試験は「当該試験の学科試験の合格者又は前条の規定により学科試験を免除された者」に対して行うと定めています。

編集部の判断

技能試験を受けられるのは、この2種類のどちらかに当てはまる人だけです。学科に落ちた人や欠席した人が技能だけ受ける、という形にはなりません。

「次回及び次々回」を具体的に言うと

第二種は年に上期と下期の2回あるので、次のようになります。

学科に合格した試験免除が使える試験
上期の学科試験その年度の下期/翌年度の上期
下期の学科試験次年度の上期/次年度の下期
確認した事実

令和8年度上期の受験案内は、権利が「次々回の試験まで」有効であるとしたうえで、具体例を3つ挙げています。日付に直すと次のとおりです。

学科に合格した試験権利を行使できる最後の試験
令和7年度 上期令和8年度 上期
令和7年度 下期令和8年度 下期
令和8年度 上期令和9年度 上期
確認した事実

権利は回数ではなく「どの試験まで」で決まります。免除で受けた技能にまた落ちた場合、残っているのはもう1回ぶんだけです。それも使い切ると、次は学科からになります。

CBTで合格しても筆記で合格しても、同じ「学科試験の合格」

公式の公表内容

施行令第7条は「電気工事士試験は、筆記試験又は電子計算機を使用する方法による試験(以下「学科試験」という。)及び技能試験の方法により行う」と定めています。

確認した事実

「学科試験」は、筆記方式とCBT方式をまとめた呼び方です。条文は両方を同じ「学科試験」として扱っているので、どちらの方式で合格しても免除の扱いは同じになります。

★期限のある免除と、期限のない免除がある

第二種の学科免除は、学科に合格した人だけのものではありません。ただし、根拠が違うと期限の有無も変わります。

公式の公表内容

施行令第9条第2項は、申請により第二種電気工事士試験の学科試験を免除する対象として、次のような人を挙げています。

  • 高等学校などで経済産業省令で定める電気工学の課程を修めて卒業した者
  • 第一種・第二種・第三種の電気主任技術者免状の交付を受けている者 ほか
免除の根拠免除資格そのものの期限申請で必要になるもの
学科試験の合格(第9条第3項)次回と次々回まで学科試験の受験番号
学校の電気工学課程(第9条第2項第1号)条文に期限の定めがない学科試験免除用証明書
※ 証明書自体に有効期間あり(下記)
電気主任技術者免状など(同項第4号ほか)条文に期限の定めがない免状などの複写

※ 令和8年度上期試験では、学科試験免除用証明書の提出期限は4月15日(水)とされています。

編集部の判断

★同じ「学科免除」でも、切れるものと切れないものがあります。免除資格そのものについては、学歴や電気主任技術者免状を根拠とする場合、施行令に「次回・次々回」のような期限はありません。一方、技能に落ちた人の免除は次々回で切れます。

注意

★免除資格に期限がなくても、提出する証明書類には有効期間が設定されている場合があります。

令和8年度の試験センター資料では、学校の電気工学課程による免除(免除項目2)について、試験センター指定の学科試験免除用証明書を原本で用意し、学校長の証明印があること、証明押印日から1年以内のものであることが求められています。

電気主任技術者免状などを根拠とする免除(免除項目3以降)は免状等の複写を提出する形で、同資料にこの1年という期間の記載はありません。同じ「学歴・資格による免除」でも、用意するものと条件は項目ごとに違います。

編集部の判断

手続きの面でも差があります。合格による免除は受験番号を入力するだけですが、学歴による免除は学校に証明書を書いてもらう必要があり、しかも古い証明書は使えません。人から「自分は免除だった」と聞いた話をそのまま当てはめると、ここでずれます。

★免除は自動ではない。申請しないと学科からの受験者になる

確認した事実

令和8年度の受験案内は、免除の対象者であっても「自動的に」免除にはならないと注意書きを置いています。そのうえで、権利を持つ人が免除の申請をせずに学科から受ける形で申し込んだ場合は、免除者ではなく学科からの受験者として扱われると説明しています。

注意

この状態で学科に落ちたり欠席したりすると、同じ回の技能試験は受けられません。受験案内もその旨を明記しています。免除の権利を持っていても、申請しなければ使われません。

申請には学科試験の受験番号が要る

確認した事実

受験案内が示す手順は、申込みを始めたあとで「学科試験免除者」を選び、該当する免除項目を選んで学科試験の受験番号を入力する、というものです。入れるのは、前回の学科に受かった人は前回の番号、前々回の人は前々回の番号になります。

番号が分からない場合は、試験センターのサイトにある「免除情報の検索」で確認できると案内されています。

編集部の判断

手元に結果通知書がなくても、受験番号はサイト上で確認できる建て付けです。あとで触れるとおり、通知書が届く前に申し込むことになる場合があるので、ここは押さえておく価値があります。

申請し忘れても、期限内なら切り替えられる

公式の公表内容

令和8年度上期試験の日程表には、4月15日(水)を期限とする手続きのなかに「学科試験受験⇄免除の切替変更」が挙げられています。同じ日が期限のものに、受験申込みの取消、学科試験免除用証明書の提出、学科試験の受験方式の変更(筆記⇄CBT)などがあります。

編集部の判断

申込みの時点で免除申請をし忘れても、この期限までは直せます。逆に言えば、期限を過ぎると学科からの受験者のまま固定されます。申込み直後にマイページで自分がどちらになっているかを確認しておくのが確実です。

★技能に落ちてから、次の申込みまでが短い

制度の上では次回も受けられますが、実際の日程はかなり詰まっています。令和8年度の上期で技能に落ちた場合を、公表されている日付で並べます。

日付できごと
7月18日(土)または19日(日)上期の技能試験
8月14日(金)12:00技能試験の結果発表(試験センターのサイト)
8月17日(月)下期試験の受験申込み受付開始
8月21日(金)試験結果通知書の発送
9月3日(木)下期試験の受験申込み受付終了

※ 令和8年度第二種電気工事士上期試験 受験案内、および「令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」より(確認日 2026-10-07)。

確認した事実

★結果発表(8月14日)から下期の申込開始(8月17日)までは3日です。しかも結果通知書の発送(8月21日)は、申込開始より後になります。

編集部の判断

郵送を待っていると申込期間が進みます。落ちた場合に下期へ回るつもりなら、通知書ではなくサイトで結果と受験番号を確認して申し込む段取りになります。受付終了は9月3日なので、通知書が届いてから動いても間に合う計算ではありますが、余裕はありません。

これは令和8年度の日付です。年度ごとに変わるので、その年の受験案内で確認してください。

免除でも、手数料と受付期間は同じ

確認した事実

受験案内は、インターネット申込みの受験手数料を11,100円(非課税)としたうえで、学科試験免除者も同額だと注記しています。受付期間についても、免除者と学科から受ける人で違いはないと案内されています。

申込方法第二種の受験手数料(非課税)
インターネット申込み11,100円
書面申込み12,500円

※ 令和8年度。書面申込みは「やむを得ない事情」の場合とされ、受付終了日の10日前までに試験センターへ連絡が必要と案内されています。

編集部の判断

学科を受けないぶん安くなる、という仕組みではありません。技能だけ受ける場合も同額です。受験手数料の納付には別途事務手数料がかかる旨も案内されています。再受験の費用を見積もるときは、ここを丸ごと1回分として数えてください。費用全体は通信講座は結局どこが安いかで扱っています。

手数料が戻らない場面

確認した事実

受験案内は、納付済みの手数料が返らない場面を3つ挙げています。期日までにCBT会場の予約が終わらなかったとき、試験を欠席したとき、そして期日までに申込みの取消しを申請しなかったときです。

注意

★CBT方式を選んだ場合、会場の予約は申込みとは別の手続きです。予約が期間内に終わらないと、CBT方式でも筆記方式でも受験できなくなり、申込みは受理済みなので手数料も戻らない、と受験案内は説明しています。申し込んだだけでは受験できません。

また、学科試験(筆記方式)と技能試験は受験票がないと受験できません。学科試験(CBT方式)では受験票が発送されない点も、あわせて押さえておく部分です。

令和9年度から学科は原則CBT方式へ移行する

確認した事実

試験センターは令和8年4月8日付の公表で、一種・二種の学科試験を令和9年度(2027年度)から原則としてCBT方式に移行するとしています。「原則として」には注記が付いていて、災害などで通信ネットワーク障害が起きCBTで実施できない場合は、必要に応じて筆記方式(PBT方式)でも実施するとされています。

同じ資料に載っている対照表では、第二種の学科試験は令和8年度が上期・下期とも「CBT, PBT」、令和9年度以降は上期・下期とも「CBT」と示されています。

編集部の判断

令和8年度は申込み時に方式を選べますが、令和9年度からは選ぶ場面自体がなくなる見込みです。「原則として」なので筆記が完全になくなると決まったわけではありませんが、通常どおり実施される年は CBT だけになります。

編集部の判断

免除の仕組み自体は政令に基づくものなので、方式が変わっても「次回及び次々回」「申請が必要」という枠組みが直ちに変わるわけではありません。ただし日程の区切り方や会場予約の手順は変わり得ます。翌年度に免除を持ち越す人は、その年度の受験案内を改めて読む前提でいてください。

ケース別に見る

編集部の判断
  • 上期に学科合格・技能不合格:下期は技能から受けられる。免除申請を忘れない。使えるのは下期と翌年度上期の2回
  • 下期に学科合格・技能不合格:次年度の上期と下期が対象
  • 免除で受けた技能にまた落ちた:残りは1回。それも落ちると次は学科から
  • 学科に落ちた:技能は受けられない。次回も学科から
  • 学科を欠席した:同じく技能は受けられず、手数料も戻らない
  • 免除申請をせずに申し込んでしまった:変更期限(令和8年度上期は4月15日)までなら切替できる
  • 今年は見送って翌年度に受ける:上期合格なら翌年度上期まで、下期合格なら次年度下期まで。それ以降は学科から

まとめ

  • 技能に落ちても学科からやり直しにはならない
  • 学科合格の免除は次回及び次々回まで(施行令第9条第3項)
  • 上期合格ならその年度の下期と翌年度の上期、下期合格なら次年度の上期と下期
  • 筆記方式でもCBT方式でも、同じ「学科試験」の合格として扱われる
  • ★学歴・電気主任技術者免状などによる免除資格そのものには条文上の期限がない。合格による免除だけが期限付き
  • ★ただし証明書類には有効期間がある場合がある。学校の電気工学課程による免除は、令和8年度は証明押印日から1年以内の証明書が必要
  • ★免除は自動ではない。条文も「その申請により」と書いている
  • ★申請せずに申し込むと学科からの受験者になり、学科に落ちれば技能も受けられない
  • 申請には学科試験の受験番号が要る。サイトの「免除情報の検索」で確認できる
  • 申請し忘れても変更期限までは切り替えられる(令和8年度上期は4月15日)
  • ★令和8年度は、上期技能の結果発表8月14日に対して下期申込開始が8月17日。通知書の発送(8月21日)は申込開始より後
  • 免除でも受験手数料は同額(インターネット11,100円・非課税)。受付期間も同じ
  • CBT会場の予約が完了しないとCBT・筆記とも受験できず、返金もない
  • 令和9年度から学科は原則としてCBT方式へ移行する(災害等でCBTが使えない場合は筆記方式も実施)

受験そのものの条件は未経験でも受けられる、技能試験の準備は不器用でも受かるのか、合格後の免状申請は免状申請はどうする?にまとめています。

情報源:e-Gov 法令検索「電気工事士法施行令」(昭和35年政令第260号)第7条・第9条・第10条、一般財団法人電気技術者試験センター「令和8年度第二種電気工事士上期試験 受験案内」、同「令和8年度電気工事士試験の実施日程等のご案内」、同「令和8年度第二種電気工事士上期試験 画面操作マニュアル」、同「電気工事士学科試験(一種、二種)のCBT方式への移行について(令和9年度~)」(令和8年4月8日)(確認日 2026-10-07・CBT移行と証明書の有効期間は 2026-10-08 に追加確認)

この記事を書いた人

Web制作・サイト運用歴20年

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