第二種電気工事士

不器用でも第二種電気工事士の技能試験は受かる?欠陥の判断基準を読む

第二種電気工事士の技能試験は、作品の見栄えで採点される試験ではありません。合格基準は「作品に欠陥がないこと」で、その欠陥の判断基準は試験センターが公表しています。しかも寸法はミリ単位の数値で書かれています。器用かどうかで悩む前に、何が欠陥にあたるのかを先に読んでおくと、練習の的が絞れます。

合格基準は点数ではない

技能試験の合格基準は、受験案内に次のように書かれています。

公式の公表内容

技能試験における合格基準は、作品に欠陥がないこととする。

学科試験のような点数制ではありません。欠陥があるかないかで判定されます。仕上がりの美しさを競う採点ではないということです。

欠陥の判断基準は数値で公表されている

その欠陥がどう判定されるかは、「電気工事士技能試験(第一種・第二種)欠陥の判断基準」として公表されています。未完成のもの、配置・寸法・接続方法等の相違、誤接続・誤結線、電線の色別や極性の相違、電線の損傷、リングスリーブによる圧着接続部分、差込形コネクタによる差込接続部分、器具への結線部分、金属管工事部分、合成樹脂製可とう電線管工事部分、取付枠部分、その他の12分類です。

特徴的なのは、多くの項目が数値で書かれていることです。

項目基準
寸法の相違配線図に示された寸法の50%以下のもの
ケーブル外装の縦われ20mm 以上のもの
リングスリーブ上端からの心線露出5mm 以上露出したもの
絶縁被覆のむき過ぎリングスリーブの下端から心線が10mm 以上露出したもの
ねじなし端子からの心線露出差込口から2mm 以上露出したもの(引掛シーリングローゼットは1mm 以上)
巻き付けによる結線心線の巻き付けが不足(3/4周以下)、又は重ね巻きしたもの

※「電気工事士技能試験(第一種・第二種)欠陥の判断基準」より抜粋。全12分類の内容は公表資料で確認できます。

編集部の判断

基準がミリ単位で決まっているということは、練習の目標も数値で決められるということだと考えます。「きれいに作る」より「規定の寸法に収める」ほうが、練習として再現しやすい目標です。

欠陥にしない範囲も書かれている

同じ資料には、欠陥として扱わない範囲も明記されています。

公式の公表内容

リングスリーブの下端から10mm 以内の絶縁被覆の傷は欠陥としない/ランプレセプタクル、引掛シーリングローゼット又は露出形コンセントの台座の欠けについては欠陥としない

どこまでが許容されるのかが資料に書かれているので、小さな傷や欠けをすべて失格の材料として考える必要はない、という読み方ができます。

出題される問題は事前に公表される

技能試験は、その年の候補問題が事前に公表されます。

公式の公表内容

候補問題は、No.1 ~No.13 まであり、一般用電気工作物等の電気工事に係る基本的な作業で(す)。技能試験問題は、次のNo.1~No.13の配線図の中から出題します。ただし、配線図、施工条件等の詳細については、試験問題に明記します。

本番で何が出るかは当日まで分かりませんが、候補は13問に絞られています。試験時間は40分です。

ただし、公表されるのは配線図までで、施工条件は当日の試験問題に書かれます。同じ候補問題でも施工条件が変われば作り方が変わるので、図を暗記するだけでは足りない構造になっています。

試験中に材料が足りなくなったら

本番で使う材料は支給されます。やり直しで一部が足りなくなった場合の扱いも書かれています。

公式の公表内容

端子ねじ(ランプレセプタクル、露出形コンセント等)、リングスリーブ及び差込形コネクタは、作業のやり直し等により不足が生じた場合、申し出があれば追加支給します。追加支給しても欠陥の対象とはなりません。

圧着をやり直しても、それ自体が欠陥として数えられるわけではありません。一度失敗したら終わり、という試験ではないということです。

工具は「指定工具」が決まっている

使う工具についても条件が公表されています。

公式の公表内容

「候補問題」を確認し、作業に必要な工具はご自身でご用意ください。電動工具以外の全ての工具を使用することができます。ただし、改造した工具や自作した工具の使用は禁止です。工具以外の物、例えば、テスタなどの計測器等の使用は禁止です。

技能試験では、電動工具以外のすべての工具を使用することができます。なお、下記の指定工具は、作業に最低限必要と考えられますので、必ず持参してください。【指定工具】①ペンチ ②ドライバー(プラス・マイナス)③電工ナイフ ④スケール ⑤ウォーターポンププライヤー ⑥リングスリーブ用圧着工具(JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品)

試験センターは①〜⑥を「指定工具」として列挙し、作業に最低限必要として「必ず持参してください」と案内しています。そろえるべきものは、この一覧で決まります。

一方で、メーカーや製品名の指定はありません。持参する工具の数量にも制限はないとされています。

実際の合格率

技能試験の結果は試験センターが公表しています。令和8年度上期の技能試験は、受験者58,393人に対して合格者42,875人、合格率73.4%でした。上期技能試験の推移としては、令和6年度が71.0%、令和7年度が72.0%と公表されています。

※ 数値は試験センターのプレスリリース「令和8年度第二種電気工事士上期技能試験の結果について」より。

問われているのは手先の器用さだけではない

試験センターは、技能試験で重視する能力を3つ挙げています。回路を的確に構成する能力、配線図や施工条件を理解し遵守する能力、接続等の作業を的確に行う能力です。

2つ目については、次の説明が添えられています。

公式の公表内容

指定された配線図及び施工条件に従って施工されていない作品は、回路が電気的に正しく結線されていたとしても、欠陥であると判断します。

編集部の判断

手を動かす精度と同じくらい、施工条件を読み落とさないことが結果に効く書き方になっています。不器用さを気にしている人ほど、作業練習に時間を割いて条件の読み取りを後回しにしがちなので、配分としては注意が要る部分だと考えます。

独学で足りる人と、講座を使ったほうがいい人

判断基準も候補問題も公表されているので、情報の面では独学でも同じものが手に入ります。差が出るのは、作った作品を誰かに見てもらえるかどうかです。

講座によっては、作った施工物を提出して添削を受けられるものがあります。自分の作品が基準を満たしているかどうかを、自分だけで判定するのが難しいと感じる場合は、そこが検討材料になります。

まとめ

  • 合格基準は点数ではなく「作品に欠陥がないこと」
  • 欠陥の判断基準は12分類で公表され、寸法はミリ単位で示されている
  • 欠陥として扱わない範囲も明記されている
  • 候補問題はNo.1〜No.13まで事前に公表される。試験時間は40分
  • やり直しで不足した端子ねじ・リングスリーブ・差込形コネクタは追加支給される
  • 令和8年度上期の技能試験の合格率は73.4%

学科のほうが不安な場合は数学が苦手でも合格できるか、受験の条件については未経験・実務経験なしで受験できるかにまとめています。

情報源:一般財団法人電気技術者試験センター「技能試験に係る欠陥の判断基準等について」、「電気工事士技能試験の概要と注意すべきポイント」、「令和8年度第二種電気工事士下期試験受験案内」、「令和8年度第二種電気工事士上期技能試験の結果について」(確認日 2026-08-24)

この記事を書いた人

Web制作・サイト運用歴20年

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