第二種電気工事士があると消防設備士試験は免除される?受験資格と試験科目
第二種電気工事士の免状があると、消防設備士では2つのことが起きます。甲種の受験資格になることと、試験科目の一部免除を申請できることです。ただし効き方は類でまったく違い、乙種第7類では実技試験が0問になる一方、甲種第5類では1問も減りません。免除は自動では付かず、申請が要ります。
結論:受験資格と科目免除は別の話
| 何が起きるか | 条件 | 手続き |
|---|---|---|
| 甲種の受験資格になる | 電気工事士免状の交付を受けている | 受験申請時に免状の写しを出す |
| 試験科目の一部免除を受けられる | 同上。ただし類による | 申請により。受験申請時に免状のコピーを提出 |
※ 消防試験研究センターの受験資格ページと一部免除一覧表、消防法施行規則第33条の11より(確認日 2026-10-15)。
受験資格と科目免除は別の手続きです。受験資格として免状の写しを出したからといって、免除が自動で付くわけではありません。施行規則第33条の11も「申請により」と書いています。
免状そのものの取り方は第二種電気工事士の免状交付申請で扱いました。
1. 免状があれば甲種の受験資格になる
消防試験研究センターの「国家資格等による受験資格」の表は、電気工事士について「電気工事士法第2条第4項に規定する電気工事士免状の交付を受けている者」としています。第一種と第二種のどちらでもかまいません。
一部免除一覧表の備考も、「電工」とは第一種電気工事士免状又は第二種電気工事士免状の交付を受けている方を示す、としています。
消防試験研究センターはよくある質問Q4で、認定電気工事従事者認定証では受験資格がないこと、第一種または第二種電気工事士免状を有していることが必要であることを明記しています。
また同Q12は、消防設備士の資格について「免状の交付を受けなければ取得したことになりません」としています。試験に合格しただけの段階では使えません。
2. 筆記試験で免除されるのは「電気」の2科目
消防法施行規則第33条の11第2項より。
「第三十三条の八第五号に該当する者に対しては、申請により、前条第二項第一号及び第二号の試験科目のうち電気に関する部分並びに実技試験のうち電気に関するものを免除する。」
一覧表で見ると、免除されるのは「基礎的知識」の電気と「構造・機能・工事・整備」の電気の2つです。法令、規格、機械の科目は残ります。
第三種などの電気主任技術者(表では「電主」)は、同じ第33条の11第3項で筆記の電気に関する部分だけが免除されます。実技は免除されません。
ここが電気工事士と電気主任技術者の分かれ目です。条文も一覧表も、実技に及ぶかどうかで書き分けています。
3. 実技の免除は類でまったく違う
| 受験する種類 | 電気工事士による実技の免除 |
|---|---|
| 甲種第4類 | 鑑別等の1問 |
| 乙種第4類 | 鑑別等の1問 |
| 乙種第7類 | 鑑別等の全問 |
| 甲種第1〜3類/乙種第1〜3類 | なし(筆記の電気のみ) |
| 甲種第5類/乙種第5類・第6類 | 免除そのものがない |
| 甲種特類 | 一部免除の制度がない |
※ 消防試験研究センター「試験の一部免除・試験時間・試験問題数一覧表」(甲種・乙種)より(確認日 2026-10-15)。
甲種第5類と乙種第5類・第6類の行には、電工・電主の免状所持者でも免除の記載がなく、試験時間も一般受験者と同じです。これらの類は問題数の表で電気の欄が「--」になっていて、そもそも電気の問題が出ません。
甲種特類については、一覧表に「甲種特類試験に一部免除はありません」と書かれています。試験時間は2時間45分です。
免除が効くのは電気の問題が出る類だけです。第5類(避難はしご・救助袋・緩降機)と第6類(消火器)は機械の設備なので、電気の免状を持っていても減りません。
乙種第7類(漏電火災警報器)だけが、鑑別等の全問免除です。実技試験が残りません。
4. 実際に残る問題数と試験時間
| 受験する種類 | 免除なし | 電気工事士あり | 試験時間 |
|---|---|---|---|
| 甲種第1〜3類 | 筆記45・実技7 | 筆記35・実技7 | 3時間15分 → 3時間00分 |
| 甲種第4類 | 筆記45・実技7 | 筆記23・実技6 | 3時間15分 → 2時間30分 |
| 甲種第5類 | 筆記45・実技7 | 変わらない | 3時間15分(変わらない) |
| 乙種第1〜3類 | 筆記30・実技5 | 筆記24・実技5 | 1時間45分 → 1時間30分 |
| 乙種第4類 | 筆記30・実技5 | 筆記16・実技4 | 1時間45分 → 1時間00分 |
| 乙種第5類・第6類 | 筆記30・実技5 | 変わらない | 1時間45分(変わらない) |
| 乙種第7類 | 筆記30・実技5 | 筆記16・実技0 | 1時間45分 → 1時間00分 |
※ 試験時間は一覧表のとおり。問題数は、同表の「試験問題数」の行から当サイトが合計し、免除される欄を引いたものです(確認日 2026-10-15)。
甲種第4類は筆記が45問から23問へ、ほぼ半分になります。第二種電気工事士を持っている人が消防設備士に進むなら、この第4類(自動火災報知設備など)が接続のよい組み合わせです。
電気主任技術者の場合、筆記の減り方は同じですが実技は減りません。甲種第4類で実技7問のまま、乙種第4類で5問のままです。
2つの類を同じ日に受ける場合の合計時間も示されています。甲種第4類と乙種第7類を併願し、免除資格が電気工事士のみの場合は3時間15分、乙種第4類と乙種第7類の併願で電気工事士のみの場合は1時間45分です。
5. 申請の方法と、合格基準の読み方
一覧表は「免除を受けるためには、受験申請時に証明書類を提出してください」としたうえで、電気工事士については電気工事士免状のコピーと定めています。電気主任技術者は電気主任技術者免状のコピー、消防設備士は消防設備士免状のコピーです。
消防法施行規則第33条の11の2第1項第2号より(甲種特類以外)。
「第三十三条の十第二項各号に掲げる試験科目(前条の規定により試験科目の全部又は一部が免除された者については、当該免除された試験科目の全部又は一部を除く。)ごとの成績がそれぞれ四十パーセント以上で、かつ、当該試験科目全体の成績が六十パーセント以上であること。」
同条第2項は、実技試験の合格基準を成績60パーセント以上としています。実技のうち電気に関するものを免除された者については、その免除されたものを除いて判定します。
免除すると分母も減ります。残った科目だけで、科目ごと40パーセント以上、全体60パーセント以上を満たす必要があります。
得意な電気の科目が抜けるぶん、法令・規格・機械で崩れると全体の60パーセントに届きにくくなる、という見方もできます。免除を使うかどうかは、短くなる試験時間と、残る科目の構成を見て決めることになります。
消防試験研究センターはよくある質問Q12で、消防設備士免状による科目免除について、試験に合格していても次回試験の受験願書提出時までに免状が交付されていなければ免除を受けられないとしています。電気工事士免状でも、申請時点で交付を受けていることが前提です。
まとめ
- 第二種電気工事士の免状があれば甲種の受験資格になる。試験合格だけでは足りない。認定電気工事従事者認定証では不可
- 受験資格と科目免除は別。免除は「申請により」受けるもので、自動では付かない
- 筆記で免除されるのは「基礎的知識」の電気と「構造・機能・工事・整備」の電気の2科目
- 実技は類で違う。甲種第4類・乙種第4類は鑑別等1問、乙種第7類は鑑別等の全問
- 甲種第5類・乙種第5類・乙種第6類は免除そのものがない(電気の問題が出ないため)。甲種特類には一部免除の制度がない
- 甲種第4類は筆記45問→23問、3時間15分→2時間30分。乙種第7類は実技が0問になり1時間00分
- 電気主任技術者は筆記だけで、実技は免除されない
- 申請は受験申請時に電気工事士免状のコピーを提出する
- 合格基準は免除された科目を除いて、科目ごと40パーセント以上かつ全体60パーセント以上。実技は60パーセント以上
情報源:一般財団法人消防試験研究センター「試験の一部免除・試験時間・試験問題数一覧表(甲種)」(PDF)、同「同(乙種)」(PDF)、同「甲種について|消防設備士試験」、同「消防設備士試験について|よくある質問」、e-Gov法令検索「消防法施行規則」第33条の11・第33条の11の2(確認日 2026-10-15)